3月30日に光照院にある〈もやい〉の共同墓地「結の墓」で、春の法要と納骨式がありました。
法要自体は春と秋の年に2回、毎年行っているものですが、
今回は前号の『おもやい通信』に追悼文(のようなもの)を書いたGさんと、
もうお一方(ひとかた)の納骨がありました。
Gさんと縁のあった人や、Gさんと同じように葬送支援の申し込みをしている人などが参列し、
故人を偲んでそれぞれにお祈りをしていました。
(光照院の吉水住職は浄土宗のお坊さんですが、送られる方や参列者の宗教や宗派は問いません)
3月末とは思えない陽気の中、みんな汗をぬぐいながらの法要となりました。
〈もやい〉では、これまで出会ってきて縁のあった方に対して葬送の支援を行っております。
葬儀・納骨・法要について本人の希望を伺って、“できるかぎり”行うものです。
“できるかぎり”というのは、〈もやい〉は家族等の立場ではないので
葬儀などを執行する法的な根拠がなく、どこまでのことができるか定かではないためです。
希望される方の多くは生活保護を利用している方なので、
ケースワーカーと連携して事前に葬送時の打ち合わせなどをしています。
そうした状況の中、想いを持って葬儀の手配をしてくださる葬儀社と、
納骨をしてくださるお寺の協力を得て、なんとかお見送りができる形を模索してきました。
もともと路上生活者の支援から活動が始まった〈もやい〉では、
見送ってくれる人がいない、ご遺骨を引き取る人がいない、
という問題にこれまで直面してきて、今の形がつくられてきました。
さらに今はコロナ禍を経て、お墓のニーズは高まっているように感じます。
コロナ禍の隔離生活で一人で考える時間が増えたことで、
多くの人が自分の行く先を考えるようになったのではないかと思います。
実際に〈もやい〉の相談や居場所系の現場でもお墓について
お問い合わせをいただくことが増えてきました。
中には墓じまいをどうするか悩んでいるという声も聞かれます。
今回のGさんのように実際にお見送りをすることもしばしばあります。
そんななかで、約15年続けている「結の墓」もスペースが埋まってきてしまっています。
〈もやい〉 で出会ってきた人たちの見送りをこれからもしていくためにどうすべきか、
担当者間で検討をはじめました。〈もやい〉のお墓について、
近くお話会なども企画しようと思っています。
またお話会のお誘いや報告についてHPなどにお知らせしようと思いますので、
関心のある方がおられましたらご覧ください。(田中)