認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2024.6.14

お知らせ政策提言・オピニオンおもやいオンライン広報・啓発事業

内閣府孤独・孤立対策推進参与に就任しました!

不安定な天気が続く今日この頃ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
2021年6月より、当時の菅総理に任命され、内閣官房孤独・孤立対策推進室政策参与に就任し、
政府の孤独・孤立対策の政策立案に携わってきました。

貧困問題に取り組む〈もやい〉の理事長が何で「孤独・孤立対策」に? と思われた方もいらっしゃったかもしれません。
僕も最初に政府側からコンタクトを受けたときには驚きました。
しかし、〈もやい〉が取り組む「貧困」の問題と、
この「孤独・孤立対策」という政策分野は密接に関わっています。
〈もやい〉は設立以来、「貧困」を、経済的な問題と
「つながりの貧困」の2つがその背景にある、と定義し、
「つながりの貧困」については、交流事業を通じて、
居場所づくりや社会参加等の機会の創造などに取り組んできました。
もやい結びの会、サロン、コーヒー焙煎、もやい畑、葬送支援などは、いずれも交流事業として、
「つながり」をキーワードに当事者メンバーと一緒に作ってきた取り組みです。

「つながりの貧困」は、人と人との「つながり」、人と地域、人と社会との「つながり」が、
失われたり、希薄になったり、奪われてしまっている状態をあらわします。
この失われた、希薄になった、奪われた「つながり」をどのように回復するのか、
つなぎ直すのか、新たに作っていくのか、〈もやい〉は現場で模索しながら実践を積み重ねてきました。

この「つながりの貧困」は、必ずしも「貧困」の問題のみに作用する社会課題ではなく、
例えば、自殺の問題、DV等の暴力の問題、ひきこもりの問題など、
さまざまな困りごとや生きづらさの背景に存在している、
共通の問題である、と考えられるようになってきています。
これは、昨今の政策分野として「孤独・孤立対策」と言い換えることができます。
ですので、「貧困」の問題と「孤独・孤立対策」とは、密接に結びついている、
関連している課題である、と言えるでしょう。

そして、上記を前提に、内閣官房の政策参与として、
「貧困」の切り口のみではなく、自殺対策に取り組む団体、若者支援や子育て支援団体、
高齢者や障がいをもつ人たちへの支援をおこなう団体などの福祉団体や、
福祉の領域ではないあらゆる分野の市民活動組織、NPOなどの団体などと協力しながら、
孤独・孤立対策の在り方について検討してきました。

2023年5月に国会で「孤独・孤立対策推進法」が成立し、
少しずつですが全国で「孤独・孤立対策」の取り組みが始まっています。

2024年4月の法の施行にともない、「孤独・孤立対策」の所管が、
内閣官房から内閣府に移行することになり、3月末で僕も内閣官房の政策参与の任期を終えました。
しかし、政府の、そして自治体の「孤独・孤立対策」は始まったばかり。
2年10カ月、参与として政策づくりに関わってきましたが、
まだ取り組み始めたばかりの施策もたくさんあります。

新たに内閣府での参与の任名のお話をいただき、
4月1日よりは、内閣府孤独・孤立対策推進室孤独・孤立対策推進参与に任命され、
引き続き、政府の「孤独・孤立対策」に携わることになりました。
政府のなかでの政策立案の役割はもうしばらく続きそうです。

〈もやい〉の活動のなかで得られたさまざまな知見やネットワークを活かしながら、
必要な施策を実現するべく、取り組んでいきたいと思います。
引き続き、見守っていただけましたら幸いです。

〈もやい〉の活動へのご支援をよろしくお願いします

参与の役割も含めて、現場からの発信や政策提言・立案は〈もやい〉の使命と言えます。
〈もやい〉は、一人でも多くの方に支援を届けるべく、
また、公的支援の拡充や社会保障の充実を求めて、精一杯、活動をおこなっています。

 〈もやい〉の活動は寄付者の方によって支えられています。
毎回のお願いで恐縮ですが、みなさまからのご支援、ご協力をお願いいたします。(大西連)

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