もうすぐ10年、相変わらずの人気!
10月15日(日)、毎年恒例の貧困問題基礎講座を開催しました。
2014年度からほぼ毎年開催してきたこの講座、例年は2日間もしくは3日間で講座を開催するのですが、今年は、参加のハードルを下げるために、1日だけで完結するプログラム構成とし、さらに参加費も安めに設定しました。そのことが参加しやすさにつながったのか、予約受付開始から2週間ほどでほぼ満席(35名)になってしまい、キャンセル待ちが出るような状況でした。
当日は波乱の幕開け
当日は朝から激しい雨でした。配布資料や文具などを会場に運ぶため、事務所からタクシーを呼ぼうとしたのですが、まったくタクシーが捕まらずに途方に暮れました。やむなくスタッフ3名で電車を使って、重い段ボール箱3個を会場まで運ぶはめになりました。このような事情で、受付開始時に資料の準備が終わっていなかったのですが、参加者のみなさんが自主的に準備を手伝ってくださって、無事開始時間を迎えることができました。
①そもそも貧困とは何か?
ごはんが1日3食食べられるかどうかということではなく、社会の中で尊厳のある生活がおくれない状況をもたらすことにおいて貧困は問題であるということや、貧困は個人に起因するというよりは、社会構造によって生み出されているといったことについて、データをもとにお話しいたしました。
②生活保護制度を知ろう!
制度の概要、利用実態の解説に続き、なぜ生活保護の利用が広がらないのか、その理由についての説明がありました。人々の生存権を支える大事な生活保護制度ですが、まだまだ課題が多く、〈もやい〉も政策提言にもっと力を入れていかなくてはと改めて考えさせられました。
③孤独・孤立とは? どんな取り組みがある?
孤独・孤立対策推進法が5月に成立しましたが、孤独・孤立の現状や法律の内容を把握している方は多くないかもしれません。「約4割が孤独、約4割が孤立」という調査結果には、私も驚かされました。まずは現状を知り、国や自治体の取り組みを注視していく必要がありそうです。
④〈もやい〉の活動を知ってほしい!
〈もやい〉の活動を改めてご紹介させていただき、「〈もやい〉の存在は前から知っていたけれど、こんなに多様な活動をしているなんて知らなかった」「ボランティアの活動内容を具体的に知ることができ、自分も参加したいと思った」などの声をいただきました。これを機に〈もやい〉の仲間が増えてくれると嬉しいなあと思います。
プログラム(9:30~16:30)
① 貧困とは何か(加藤)
② 生活保護制度~概要と課題~(結城)
③ 孤独・孤立対策の現在とこれから(大西)
④〈もやい〉の活動紹介(黒木)
参加された方の様子
講義の合間にはグループで話し合う時間もあり、みなさん非常に真剣に意見を交わしていらっしゃいました。講座終了後のアンケートでも、関心や意欲の高さが感じられ、「今年も開催できてよかった」と心から思いました。
一部ですが、アンケートの内容をご紹介します。
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貧困の構造、課題が具体的に理解でき、大変有益でした。
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〈もやい〉の活動の全体像、現状が知れてよかった。民意の高まりが世の中を変えると改めて理解しました。
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学んだことをアウトプットする(人に伝える、何か行動をする)ことに取り組んでいきたいです。
貧困問題基礎講座は来年度も開催したいと考えています。より充実した内容になるよう、検討を重ねていきます。(加藤)