認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2023.6.17

おもやいオンライン

はじめまして!4月からスタッフになりました

 「今日は723名で過去最多を更新しました」。新年度が始まった4月1日の都庁下。
朝から続いた緊張感から解放され、大西理事長の締めの挨拶をぼうっと聞いていると、
横でベテランのボランティアさんが「保護費の支給日前だからかもね」と話しています。

 どうやら多くの自治体で、生活保護費の支給日は月初めのようです。
生活保護に関する本を何冊読んできても、実務的なことはまったくわかりません。

私はこの日からスタッフになりました。
はじめまして、多田と申します。それまで〈もやい〉の活動に参加したことはありません。

自分の居場所をみつける

 若い頃はだいぶふらふらしていました。16歳で高校を中退して、秋田から単身上京。
住み込みで新聞配達を始めたものの、1週間ももたずに逃走。
それでも16歳が住み込みで働ける場所は新聞配達くらいしかありません。
すぐに他の販売店を探すも、やはり長く続かず。4つ目でやっと落ちつきました。

そこの所長や同僚が特別優しかったわけではありません。
ただ、なんとなく居心地が良かったのです。居場所は大切です。
逃げ続けても、自分の落ち着ける場所をみつけられたら勝ちです。
〈もやい〉でもコーヒー焙煎やもやい畑など、
居場所となれるような事業がたくさんありますね(宣伝です)。

 その後、大学になんとか進学したのに、またやめてしまいます。
人生2度目の中退です。2回中退している人はなかなかレアです。
さて、これからどうしようか。

 ちょうどその頃、秋葉原無差別殺傷事件や年越し派遣村などを契機に、
格差や貧困問題が社会的にクローズアップされ始めました。
自分が同じような境遇にあるからこそ、当事者の気持ちを理解して支援できるのではないか。
自己責任で片付けるのではなく、それぞれが事情を抱えている中で、
互いに補いながら生きていける社会にしたい。自分の進むべき道を見つけました。

 そこから福祉の大学に入り直します。卒業したときは25歳になっていました。
ようやくなにかひとつやり遂げられました。

今の社会に声をあげたい!

 どうも日本の人権状況はおかしいのではないか?
社会人として働く中で、そんなことを思う機会が増えました。
外国人技能実習生や入管行政をめぐる諸問題は本当にひどい、
自己責任論もいまだに巷間にあふれている、選択的夫婦別姓すら一向に実現しない!

 デモなどに参加したことは数えるほどしかないけれど、社会に一石投じたい、
社会を良くする活動をしたいと思っていました。そんな中、〈もやい〉の求人を見つけます。

 私のこれまでの経歴も、「生きづらさ」を抱える人々に向き合う
〈もやい〉の活動ではプラスになると信じて応募しました。

ゆるやかに、ときに強くつながる

 生活相談の現場では、スタッフとボランティアが『生活保護手帳』を開いて
条文を確認し合ったり、東京都に制度の運用について実際に問い合わせることも少なくありません。
アカデミックな雰囲気漂う生活相談の一画で、勉強熱心なボランティアのみなさんにいつも刺激をもらっています。

 一方で、制度に詳しくなくとも、貧困問題をはじめとして、
今の社会に疑問をもっている方が気軽に飛び込んでもらえる場であってほしいと思います。

〈もやい〉の由来は、とても頑丈な結び方だけど、
簡単にほどくことができる「もやい結び」からきています。
〈もやい〉とギュッと結ばれるも、ゆるく結ばれるも自由です。
事務所や都庁下で見かけた際にはぜひ声をかけてください。
これからよろしくお願いします。(多田)

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