生活相談・支援事業の結城です。生活を支えるためのお役立ち情報第3弾です。
この秋口からの円安と物価高騰が多くの人々の生活に影響を与えています。
こうした状況の中で、フードバンク等を利用されている方もいらっしゃいます。
生活保護制度を利用中で、フードバンク等から食料を受け取ったことで、
福祉事務所から「収入として認定する」と言われてしまったと
〈もやい〉にご相談に訪れる方もいらっしゃいます。
しかし、生計が苦しいからフードバンク等を利用しているのに、
その分が収入として認定され保護費が減ってしまっては本末転倒です。
フードバンク等からの食料支援は本当に収入として認定されるべきものなのでしょうか?
収入の種類と認定の方針
生活保護制度を利用している場合、
何らかの収入があった際には「収入申告」をすることが求められます。
この「収入」にはいくつかの種類があります。具体的には次の通りです。
(1)就労に伴う収入
ア 勤労収入(雇用労働による収入)
イ 農業収入
ウ 農業以外の自営収入
エ その他不安定な就労による収入
(2)就労以外の収入
ア 恩給、年金等の収入
イ 仕送り、贈与等による収入
ウ 財産収入
エ その他の収入
この中で、民間団体による食糧支援が関係してくるのは(2)のイの仕送り等の収入です。
仕送り等については
「社会通念上収入として認定することを適当としないもののほかは、すべて認定すること」
とされています。また、
「主食、野菜又は魚介は、その仕送り、贈与等を受けた量について、
農業収入又は農業以外の事業収入の認定の例により金銭に換算した額を認定する」
とされています。
つまり、「社会通念上」収入扱いすべきでないと判断されたもの以外は、
現金であろうが食料品であろうが収入認定するという方針です。
食料支援は収入として扱われるのか?
フードバンクや子ども食堂などで受けられる現物の支援について、
厚生労働省は『生活保護手帳別冊問答集(2022年版)』で次のように書いています。
「子ども食堂において無償で提供される食事や、
フードバンクから提供される食料については、その取組の趣旨に鑑み、
原則、収入として認定しないこととして差し支えない」(問8-29)
つまり、フードバンク等の食糧支援については原則としては収入認定しない
というのが厚労省の方針です。ただし、生活扶助費の一定の割合を超えて
常に食料品の支援を受けている場合などについては、収入認定される可能性もあります。
もし、食料品の支援を受けたときに福祉事務所から収入認定すると
言われてしまったときには上記の内容をケースワーカーに伝えてみてください。(結城)
QUIZ. 収入の認定に関して、いわゆる商品券や電子マネー、ポイント等を受け取った時に収入としてみなされてしまうのかという質問が〈もやい〉によく寄せられます。 それでは以下のような場合は収入として認定されるのでしょうか? ①民間団体の食料支援のなかで、地域で使える商品券(300円分)をもらった ②特定のチェーン店で使えるメンバーカードのポイント