私の勤務するカタログハウスでは、「通販生活」というカタログ雑誌を年4回発行しています。
「通販」と名乗っているので、もちろん商品も販売していますが、
雑誌の半分くらいは一般の雑誌のような「読み物記事」を掲載しています。
読んだことのある方、どのくらいいらっしゃいますか?
カタログハウスでは、2021年12月から1年間、
新宿の都庁下で行われている無料食料配布に食事券の提供をしてきました。
きっかけは、新聞で食料配布の活動を知ったこと。
21年10月末に初めてお手伝いに行った際、
都庁下から新宿駅へ向かって伸びる人の列の長さに圧倒されました。
そして食材の入った袋を渡しながら、私たちと変わらない人たちが
何かのきっかけで生活に困ってしまう現実を伝える必要性を痛感しました。
社員有志がボランティアも
22年1月に発行した「通販生活」春号では、巻頭で「お腹が空いた」と題した特集を組み、
どんな方々がどんなきっかけで都庁下に来るようになったのかを読者のみなさんにお伝えしました。
同時に、コロナ禍で炊き出しが減ってきている状況も知り、
温かい食事を召し上がっていただく方法として「食事券の配布」を企画しました。
当時は400人程度の方が配布の列に並ばれていたので、
1人につき500円分の食事券を1年間、定期的に提供できるよう計画しました。
スタッフの方にご配慮いただき、食事券の配布は
カタログハウスの社員有志がボランティアで参加させていただいています。
食事券を配っていると「ありがとう」と手を合わせてくださる方もいます。
最近では「前まで500円で食べられたものが値上がりして食べられなくなった」
という声もあったそうです。
やらないよりはやったほうがいい
金券を配ることについては、さまざまな意見があると思います。
私たちも、これが最善の方法なのかはわかりません。試行錯誤のなかにあります。
ただひとつ言えることは、やらないよりはやったほうがいい。
1人でも、お渡しした食事券で温かい食事を食べて、
いっときお腹を満たしてくださったらそれだけでも意味のあることだと考えています。
私は、カタログハウスの社会貢献活動の一環として、
こども食堂を広げる活動にも7年ほど関わりました。
そのとき強く感じたのは「できる人ができることをやれば、この社会にはすごい力がある」
ということです。でも、特にコロナ禍に入ってからの支援の現場は、
「一部の人たちが、できること以上をやっている」ことが多いように感じます。
私たちカタログハウスがやっていることは小さなことです。
しかし、私たちと同じようなこと、いやもっと有効で効果的なことができる会社は
たくさんあるはずです。そうした力が、もっともっと都庁下に集まってほしい。
どうしたら「できる人がちゃんとできることをやって支え合う社会」になるのか。
自分の仕事が、そんな社会を創る一助になればと考えています。(カタログハウス・釜池さん)