コロナの影響も長引き、もう3年目に入ろうとしております。
巷では、3度目のワクチン接種(ブースター接種)や、
経口薬の登場など、さまざまなニュースがとびかっておりますが、
〈もやい〉は変わらず、感染予防を徹底しつつ、支援をおこなっております。
年末から年明けにかけて、子育て世帯や住民税非課税世帯向けの
10万円の給付金の支給が始まっておりますが、家計の助けになった世帯も多い一方で、
東京都の住民税非課税世帯基準は単身で100万円程度ですから、
月に10万円程度の収入があると、給付を受けられないという状況もあり、
ワーキングプアの人などに、支援が届かないという状況には変化がありません。
振り返ると、コロナ禍1年目には「アベノマスク」と「全世帯への10万円の給付金」、
2年目には今回の限定的な給付金と、政府がおこなう支援の脆弱さにはため息が出ます。
もちろん、雇用調整助成金、持続化給付金などの雇用継続のための支援施策や、
緊急小口資金等の特例貸付などの生活費の貸付制度は、大規模に拡大していますが、
個人の家計を給付でダイレクトに支える制度とはその主旨も設計もなっていないものであると言えます。
失業者や非正規労働者は雇用継続の助成金の恩恵を受けにくいですし、
貸付は借金なので免除基準はあるものの、基本は返さなければならないものであるのは間違いがありません。
このコロナ禍で、多くの人が、厳しい情勢のなか、もともと手薄な公助に支えられることなく、
自助と共助で耐え忍んでいる、そういった状況が見えてきます。
3年目の今年こそは、公的支援の拡充というかたちで、
必要な人に支援を届けていくことが何よりも求められるでしょう。
〈もやい〉の年末年始、年明けからの支援
〈もやい〉では、この年末年始に、臨時の相談会や食料品配布、
チャット相談&かけつけ支援をおこないました。
とくに、チャット相談&かけつけ支援では、10名以上の方とチャットでリアルタイムでやりとりをし、
実際に多くの方のもとにかけつけ、現金等の給付支援につなげることができました。
人員体制に課題はあるものの、オンラインツールを活用して即時に対応し、
必要な支援を実施できるこの新しい手法は、今後の支援のあり方の一つのモデルになるかもしれない、
という手応えがありました。引き続き、必要な方に支援を届けていくために、
あらゆるアプローチを考案し、実践していきたいと考えています。
また、毎週土曜日に新宿都庁下でおこなっている食料品配布と相談会の活動では、
年明けに初めて500人をこえると、1月22日には554人を記録しました。
昨年(2021年)のこの時期が200人〜250人であったことを考えると、この1年の変化の大きさに衝撃を受けます。
コロナ禍も3年目をむかえ、私たちの社会は何をおこなっていくべきなのか、
あらためて考えていかなければならないと思います。
岸田総理と「車座」で意見交換
12月27日に、岸田総理がもやい事務所に来訪し、「車座」での意見交換をおこないました。
私以外にも自殺対策、若者支援、女性支援などの各分野のNPOメンバーが集まり、
支援現場の状況についてお話しさせていただきました。
支援の現場の状況は厳しくなっています。
一方で、繰り返しになりますが、政府の支援施策は、あらたな展開もなく閉塞感がただよっています。
〈もやい〉としても、現場の活動をしっかりとおこないつつ、
政策提言等も積極的におこなっていきたいと考えております。
毎回のお願いで恐縮ですが、引き続きの、ご支援、ご協力をお願いいたします。(大西)