NPO法人自立生活サポートセンター・もやいは、本日4月16日に厚生労働省に対して「新天皇即位にともなう10連休中の生活困窮者施策についての要望」と題した要望書を提出いたしました。
もやいでは4月21日(日)の13時~18時に働いていて火曜の相談日に来れない方、ゴールデンウィーク中に生活困窮する可能性のある方を主な対象として臨時相談会を開催します。ここで得られた知見をもとに、国に対して実情に合った対策をとるようさらに求めてまいります。
以下、本要望書の全文となります。
2019年4月16日
内閣総理大臣 安倍晋三殿
厚生労働大臣 根本 匠殿
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
東京都新宿区山吹町362番地みどりビル2F
理事長 大西連
Tel: 03-6265-0137 Fax: 03-6265-0307
https://www.npomoyai.or.jp/ info@npomoyai.or.jp
新天皇即位にともなう10連休中の生活困窮者施策についての要望
私たちは、国内の貧困問題に取り組むNPOとして、生活困窮された方や社会保障制度を必要とされている方への相談・支援をおこなっています。
ご承知の通り、新天皇の即位にともない、本年は例年のゴールデンウィークよりも長期の期間の連休、具体的には4月27日~5月6日までの10日間が休日・祝日となります。政府はこの連休中の対応として、保育や医療分野では施策の実施を決めていますが、連休で収入が減る労働者(日雇いや日給や時給で働いている労働者)に関しては、連休中に有給休暇を取れるよう雇用者側に配慮を求めるのみで、それらの実効性は雇用者側任せのものとなっています。
ですので、この連休中に、仕事を失い、収入が途絶え、生活に困窮し、なかには路頭に迷ってしまう方がうまれてしまう可能性はとても高いとの懸念をもっています。
もちろん、私たちは社会保障制度によって、生活に困窮してしまっても、必要ならすぐさま公的な支援を利用することができます。
しかし、この連休中は行政機関の窓口が閉まってしまい、そういった生活保護制度や生活困窮者自立支援制度などの公的支援につながりたくても「窓口が開いていない(閉庁)」ことによって、それを利用することができない、という事態が見込まれます。従前から、土日や祝日に生活に困った際の窓口が開いていないことは問題でしたが、10連休(10日間)はかなりの長期間です。本人の自助努力や民間の支援のみでは限界があります。
この連休中に生活に困窮し、場合によっては住まいを失い、困ってしまう方が出ないためにも、私たちは、以下の生活困窮者施策の整備を求めます。
1.新天皇即位にともなう10連休の閉庁期間中に、各自治体に生活保護申請を受け付ける窓口を設け、申請権を侵害することなく適切な対応をおこなうこと。
2.上記閉庁期間中に、生活困窮者及び生活保護申請者に対し、必要に応じて、宿泊場所や食事の提供、またはその費用の給付・貸付等を適切に、かつ速やかにおこなうこと。
3.生活困窮者が上記閉庁期間中に、1及び2の施策を利用できるように、連休前、連休中に積極的に情報発信・広報の活動をおこない、その利用を促進すること。
4.上記1及び2の事項が適切におこなわれるように、各自治体への周知徹底をおこなうこと。
以上