年間のべ4,000件以上のご相談に対応する〈もやい〉の活動は、たくさんのボランティアの方に支えられています。どういった思いで支援に関わり、そして関わり続けているのでしょうか? ひとりひとりの思いと声をお伺いしていきます。
今回は〈もやい〉はもちろん、そのほか横断的な支援プロジェクトにも参加していただいている椎野さんにメッセージをいただきました!
●椎野さん
「〈もやい〉の活動のうち、生活相談ボランティアに関わっています。
路上生活の方への食品配布・相談活動に関わる中で、先進国でありながら、こんなにも住まいや食料、医療等、最低限の生活保障がなされていない現状に疑問を感じてきました。そこで、困窮状態にある方に対し社会保障制度へのつなぎを丁寧に行っている(制度紹介にとどまらず申請同行も行う!)〈もやい〉の事業に共感し、関わり始めました。
〈もやい〉の生活相談ボランティアに参加し感じていることは、誰もが、失業や病気等をきっかけに容易に困窮する、社会保障制度の圧倒的な不足です。そこで、最後の砦となる生活保護の利用も未だ、誰もが気軽に活用できる制度とはなっていないことを知りました。
福祉事務所での”水際作戦”も、未だ多くあることに驚きました。
『ひとりで保護申請に行ったら、若いのにと説教され追い返された』
『ホームレスは生活保護申請できないと言われた』
『保護申請したいが、複数人部屋の施設に入れられるなら路上の方がまし』(住居を失った方に案内される複数人部屋施設には環境が劣悪なところも多い)
相談のなかではこうした声を聞きます。
〈もやい〉の生活相談には、所持金が数千円を切った状況で相談に見える方も多くいます。その中には、ご自身で一度、自治体へ相談したものの、生活保護等適切な制度を案内されなかった方もいます。〈もやい〉では、使える制度を一緒に検討したのち、必要に応じ申請の同行もします。後日、制度利用できることに決まったと、相談者の方から報告のお電話を受けることもあります。
本来は、相談者ひとりで自治体窓口に行っても、適切な制度にすぐにつないで欲しいと、行政に対し感じます。しかし、依然としてそうなっていない。社会全体を見れば、生活保護基準額以下で暮らす人の数は増加傾向にあり、貧困は広がっています。その中で、〈もやい〉が果たす権利擁護・制度改善に向け働きかける役割は(残念ながら)まだまだ多いようです。
私は、誰もが個人として、その人らしく生活できるような社会制度であってほしいと思います。制度利用を恥と感じないで済むようにもしていきたい。〈もやい〉の相談活動・制度改善を目指す働きかけを通じ、微力ながら、できることをしていきたいです。」
一緒に活動してくれる仲間を待っています!
〈もやい〉では一緒に貧困問題解決のため活動してくださる仲間を募集しています! ボランティアとして参加してみませんか? まずはお気軽に〈もやいセミナー〉にお越し下さい。
日程はこちらのリンク(タグ:もやいセミナー)より該当記事をご覧下さい!